顔料プリントとは、顔料インクを使用してタオルなどの布製品に印刷する方法です。
オリジナルタオルを製作する際には、印刷方法も含め、様々な視点から比較検討する必要があります。比較するポイントとして、商品のサイズやロット数やデザイン性などが挙げられますが、最も気になる項目は「予算」だという方は多いです。
決まった予算内で「なるべく安くオリジナルタオルを作りたい」という方におすすめなのが「顔料プリント」です。
そこで今回は、顔料プリントの特徴と注意点を紹介します。
顔料プリントとは?
顔料プリントとは、顔料インクを使用した印刷方法で、染料インクとの違いは繊維までインクが染みこまないことです。
オリジナルタオルが作れる専門サイトを見ていると、「顔料」や「染料」といった文字を目にすることがあります。あまり聞きなれない言葉ですが、どちらも「色材」と呼ばれる原料で、見た目は色のついた粉末です。
顔料インクは粒子が大きく水に溶けないため、繊維に色を付ける際にはバインダーと呼ばれる接着剤のようなものを混ぜます。
また、用途はタオルの印刷だけではなく、化粧品や塗料、ゴム、皮革など、あらゆるものに使用されています。
顔料の誕生は紀元前二万年以上前と言われており、昔は身体や顔に塗って占いや呪術に使用していたことが、顔料と呼ばれる由来になったとされています。
顔料プリントの印刷方法
顔料プリントは、色つきの粒子を接着剤で生地の表面に付着させる印刷方法です。
表面にインクを乗せている状態ですので、固い手触りになってしまいます。
耐水性があり、にじみにくいので細かいデザインにも向きますが、付着させているため固い触り心地であったり、何度も使用を繰り返しているとプリント部分が剥がれてしまう場合があります。
また最大の特徴は、染料プリントと比べて低コストで製作できる点です。
名入れタオル製作所の顔料プリントは特色印刷を使用
紙の印刷は、一般的にCMYKといわれ、C〔シアン(青)〕、M〔マゼンタ(ピンク)〕、Y〔イエロー〕、K〔ブラック〕の4つの色を順に重ねて印刷しています。
それに対して特色印刷は、DICやPANTONEといったインクメーカーで作られた色を使って印刷します。
特色についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
顔料プリントにおすすめのデザインは?
名入れタオル製作所の顔料プリントは「枠ありプリント」という四方に白色のフチが残る印刷方法です。
枠ありプリントに向いているデザイン、向いていないデザインがあるため、具体的にロゴを使った例を出しながら簡単に説明します。
べた塗りのデザインは手触りが悪くなる
一見3色使っているように見えますが、白はカウントされませんので2色です。
枠いっぱいに色を使って印刷することはできますが、インクが乗っている箇所の手触りが硬くなってしまう点は注意が必要です。
手触りを損ないたくないのであれば、こういった広範囲に色をのせる場合は染料プリント(全面プリント)をおすすめします。
四方の枠を生かしたデザインがおすすめ
デザインは先ほどと同じものを使用していますが、色の使い方によって大きく印象が変わります。
白をベースにしたデザインなら、四方の「枠」が気になりません。また、タオルの手触りも損ないません。
そのため顔料プリント(枠ありプリント)でタオルを作るなら、白地ベースのデザインがおすすめです。
顔料プリントでオリジナルタオル製作時の注意点
顔料プリント(枠ありプリント)は一枚ずつ手作業で印刷しています。そのため、個々に仕上がりが異なります。手作業の顔料プリントゆえの注意点について解説します。
印刷が中心にこない場合がある
印刷前にプリント部分の位置を調整しますが、タオルそのものに固体差があるため、約2〜3㎝のズレは発生します。特にベタ塗りのデザインの場合、ズレが目立ちやすくなります。
工場の検品で極端なズレがある場合は印刷不良として除きますが、2~3cm程度のズレはなくすことができません。
ただ、デザインを工夫することで目立たなくすることはできます。
- ベタ塗りの範囲を狭くする
- 直線のデザインを避ける
ベタ(塗りつぶしの面積)の面積が大きければ大きいほどズレが目立つため、ベタ塗りの範囲を狭くしましょう。
例えば下記のようなデザインはズレが目立ちやすいです。印刷面の半分以上を占めています。
一方、下記のようなデザインであれば、ズレはあまり目立ちません。
次に避けた方が良いのが直線のデザインです。ゆがみが目立ちます。
また、ピンクや水色、黄緑などの淡色は比較的ズレが目立ちにくいですが、黒や紺などの濃い色はズレが目立ちやすくなります。
白い生地が目立つ
顔料プリントはタオルの表面にインクを付着する印刷方法ですので、パイルをめくるともともとの白い生地が見えます。
特に濃い色で印刷した場合、目立ちやすくなります。
また、折りじわがつくと、白い生地が目立つようになります。
白い生地が目立たないようにするためには、濃い色を選ばないことがおすすめです。
下記の写真のように、ピンク色は白い生地がさほど気にならないのに対して、黒は目立っているのが分かります。
洗濯すると色落ちしやすい
顔料プリントは、繰り返し洗濯すると色落ちがしやすいです。
顔料プリントは生地を染めているのではなく、生地の毛足にインクを付着させている印刷方法のため、洗濯によってインクが剥がれ落ちてしまうと、どうしても色落ちしてしまいます。
次にオリジナルタオルの多くは印刷をするためにパイル生地の上半分にカットして表面を平らにするシャーリング加工をしています。
そのためパイル生地のタオルと比べると毛が抜けやすいです。
細い線はきれいに印刷されにくい
線が細いと、上記の写真のように1枚ずつの完成にバラつきがでます。
顔料プリントには線の幅に規定があり、必ず2mm以上にする必要があります。
顔料プリントは細かいデザインを得意としていますが、幅2mm以下の線や隙間は、にじんで文字が潰れてしまう可能性があります。
まとめ
今回は、顔料プリントの特徴と注意点を紹介しました。
顔料プリントは、オリジナルタオルの中では比較的低価格かつ小ロットから注文できるため人気です。
選んだいただく商品によって仕上がりが異なりますので、気になる方はまず名入れタオル製作所へ一度ご相談くださいませ。
またオリジナルタオルを作る場合、お客様ご自身でIllustratorというソフトを使ってデザインを作成していただく必要があります。
データを作成する際には、必ず当店のフォーマットのご使用をお願いしております。
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